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声を出して一緒に読んでみましょう

舌切り雀 Shitakiri suzume/日本の物語   言い伝えによる物語/作者:不明
 参考:(青空文庫)作成 楠山正雄

第1章


むかし、むかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
ふたりには子供がいないものですから、おじいさんは庭先にやってくるすずめの子をたいそう可愛がっていました。
「いつもこうしてやってくるのなら、お前をうちの子にしよう」
おじいさんは大事そうに、すずめの子を一羽かごに入れて飼うことにしました。


ある日、おじいさんはいつものように山へしば刈りに、おばあさんは井戸ばたで洗濯をはじめました。
その日はたまたま、おじいさんがすずめの子にえさをやるのを忘れてしまったので、すずめの子はひもじくなって、ちょろちょろとかごから歩き出すと、おばあさんが障子を張り替えるために出していたのりを残らずなめてしまいました。
家に帰ってきたおばあさんは、すずめの子がのりを綺麗に食べてしまったことに気がつくと、たいへん怒って、すずめの子を捕まえました。

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