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声を出して一緒に読んでみましょう
浦島太郎 Urashima-Taro/日本の物語 言い伝えによる物語/作者:不明
参考:『福娘童話集きょうの日本昔話』

第1章
むかしむかし、ある村に、心のやさしい浦島太郎(うらしまたろう)という若者がいました。
浦島(うらしま)さんが海辺を通りかかると、子どもたちが大きなカメを捕まえていました。
そばによって見てみると、子どもたちがみんなでカメをいじめています。
「おやおや、かわいそうに、逃がしておやりよ」
「いやだよ。おらたちが、やっと捕まえたんだもの。どうしようと、おらたちの勝手だろ」
見るとカメは涙をハラハラとこぼしながら、浦島さんを見つめています。
浦島さんはお金を取り出すと、子どもたちに差し出して言いました。
「それでは、このお金をあげるから、おじさんにカメを売っておくれ」
「うん、それならいいよ」
こうして浦島さんは、子どもたちからカメを受け取ると、
「大丈夫かい? もう、捕まるんじゃないよ」
と、カメをそっと、海の中へ逃がしてやりました。