HOMEreading bookThe Tale of Urashima-Taro

声を出して一緒に読んでみましょう

浦島太郎 Urashima-taro/日本の物語 
  言い伝えによる物語/作者:不明

 参考:(福娘童話集きょうの日本昔話)

第2章


 さて、それから二、三日たったある日の事、浦島さんが海に出かけて魚を釣っていると、
「・・・浦島さん、・・・浦島さん」 と、誰かが呼ぶ声がします。
「おや? 誰が呼んでいるのだろう?」
「わたしですよ」
 すると海の上に、ひょっこりとカメが頭を出して言いました。
「このあいだは助けていただいて、ありがとうございました」
「ああ、あの時のカメさん」
「はい、おかげで命が助かりました。ところで浦島さんは、竜宮(りゅうぐう)へ行った事がありますか?」
「竜宮? さあ? 竜宮って、どこにあるのだい?」
「海の底です」
「えっ? 海の底へなんて、行けるのかい?」
「はい。わたしがお連れしましょう。さあ、背中へ乗ってください」


 カメは浦島さんを背中に乗せて、海の中をずんずんともぐっていきました。
 海の中にはまっ青な光が差し込み、コンブがユラユラとゆれ、赤やピンクのサンゴの林がどこまでも続いています。
「わあ、きれいだな」
 浦島さんがウットリしていると、やがて立派なご殿(てん)へ着きました。

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