敬語の中でも、相手への敬意を直接的に表現するのが尊敬語です。相手の行動や状態そのものを高めることで、深い敬意を示すことができます。使いこなせれば、あなたの言葉遣いはより洗練され、ビジネスにおける人間関係をより良質なものにするでしょう。
尊敬語の意義とは
ビジネスシーンにおいて、尊敬語を使うことは、「あなたを個人として、そしてその立場の人として尊重しています」という明確なメッセージを伝えます。特に役職が上の人や、お客様、取引先の担当者など、敬意を払うべき相手との会話では不可欠です。これにより、相手に気持ちよく話してもらい、円滑なコミュニケーションを促進する効果があります。
ビジネスでよく使う尊敬語
いらっしゃる
これは「行く」「来る」「いる」という3つの意味を持つ非常に便利な尊敬語です。相手の移動や存在について話す際に広く使えます。
使用例:
「部長はただいま席にいらっしゃいません。」(いる → いらっしゃる)
「明日の会議には、何時ごろいらっしゃいますか。」(来る → いらっしゃる)
「先日はどちらへいらっしゃったのですか。」(行く → いらっしゃる)
おっしゃる
「言う」の尊敬語です。目上の人の発言を引用したり、言及したりする際に使います。
使用例:
「社長がおっしゃるとおり、コスト削減が急務です。」
「佐藤様がおっしゃっていた件について、確認いたしました。」
なさる
「する」の尊敬語です。相手が何かの動作・行為を「する」場面で使います。
使用例:
「週末はゴルフをなさるそうですね。」
「会長はどのような決断をなさいますか。」
ご覧になる
「見る」の尊敬語です。相手が資料やメールなどを確認する際に使います。
使用例:
「お送りした資料は、もうご覧になりましたか。」
「こちらのパネルをご覧ください。」
召し上がる
「食べる」「飲む」の尊敬語です。会食の席や、お客様に飲み物を出す際などに使います。
使用例:
「どうぞ、コーヒーを温かいうちに召し上がってください。」
「昼食はもう召し上がりましたか。」