敬語の中でも、自分がへりくだることで、間接的に相手への敬意を表現するのが謙譲語です。自分の行動や状態を低める(謙遜する)ことで、相手を高め、深い敬意を示すことができます。使いこなせれば、あなたの謙虚さが伝わり、ビジネスにおける人間関係をより円滑なものにするでしょう。
謙譲語の意義とは

ビジネスシーンにおいて、謙譲語を使うことは、「私は一歩引いて、あなたを立てています」という配慮のメッセージを伝えます。特に役職が上の人や、お客様、取引先に対して自分の行動を述べる際に不可欠です。これにより、相手に敬意を示しつつ、丁寧でスムーズなコミュニケーションを図る効果があります。
ビジネスでよく使う謙譲語
伺う

これは「行く」「聞く」「尋ねる」という3つの意味を持つ非常に便利な謙譲語です。相手の所へ行ったり、話を聞いたりする際に広く使えます。
使用例:
「明日の午後3時に、御社へ伺います。」(行く → 伺う)
「その件については、先日伺いました。」(聞く → 伺う)
「ご都合のよい日を伺ってもよろしいでしょうか。」(尋ねる → 伺う)
申し上げる

「言う」の謙譲語です。自分の意見や考えを目上の人に伝える際に使います。(「言う」の謙譲語には「申す」もあります)
使用例:
「率直な意見を申し上げますと、再考が必要かと存じます。」
「改めてお礼を申し上げます。」
いたす

「する」の謙譲語です。自分が何かの動作・行為を「する」ことを謙遜して伝える場面で使います。
使用例:
「私がご連絡いたします。」
「承知いたしました。即刻手配いたします。」
拝見する

「見る」の謙譲語です。相手からのメールや資料などを自分が「見る」際に使います。
使用例:
「お送りいただいた企画書、拝見しました。」
「後ほど現地の様子を拝見しに参ります。」
いただく

「食べる」「飲む」の謙譲語(丁重語)です。また、「もらう」の謙譲語としても頻繁に使われます。
使用例:
「お土産、ありがたくいただきます。」(食べる → いただく)
「部長から貴重なアドバイスをいただきました。」(もらう → いただく)
「コーヒーをいただきます。」(飲む → いただく)



